<英文法解説>比較 応用表現

文法

中学2年生で習う比較の応用表現を解説していきます!

比較の応用表現とは

以前の記事で,「比較級」「最上級」「同級比較」はそれぞれ解説してきました。

>「比較級」の解説

>「最上級」の解説

> 「同級比較」の解説

今回はこれらを使った応用表現ということで,全部で3つ解説していきます。

応用表現とは言っていますが,そこまで複雑なわけではありませんし,問題でもよく出題されます。必ず理解して使いこなせるようにしましょう。

形容詞/副詞の不規則変化

betterとbestの使い方

まず“better”“best”の使い方からです。そもそも”better”と”best”とは何なのか説明します。

“better”は”good(上手な)/well(上手に)”の比較級,”best”は”good/well”の最上級となります。

このように比較級,最上級になると形が大きく変わるのを,形容詞/副詞の不規則変化といいます。一般動詞 過去形の不規則変化と同じようなものです。

ちなみに今回は扱いませんが,“bad”は比較級が”worse”で,最上級が”worst”となります。

では実際に例文で使い方を確認していきましょう。まず比較級”better”からです。

1. 「彼女は私よりもピアノを上手に弾ける。」

2. 「この車はあの車よりもずっと良い。」

1番の文ですが,まず「彼女はピアノを上手に弾ける」を英語にしてみましょう。

“She can play the piano well.”となりますね。そして今回は「私よりも上手に」ということで,“well”を比較級にして”than”でつなぐ必要があります。答えは以下の通りです。

“She can play the piano better than I(me).”

“than”の後ろは“I can play the piano”が本来は続くため“I”となりますが,会話では“me”が使われることも多いので,どちらでもOKです。

2番の文もまず「この車は良い」を英語にします。

“This car is good.”となりますね。そして先ほどと同じように比較級にして”than”でつないでいきます。答えは以下の通りです。

“This car is much better than that one.”

ここで1つポイントになるのが“much”です。これが「ずっと」の意味で,比較級を強調する単語になります。

このように比較級を強調したい場合は”much”を比較級の前に置いてあげます。”very”は比較級とセットで使えないので注意してください。

次は最上級”best”の使い方を確認していきましょう。

1. 「彼女はクラスの中で最も上手にピアノを弾ける。」

2. 「この車は全ての車の中で1番良い。」

1番の文ですが,まず「彼女はピアノを上手に弾ける」“She can play the piano well.”となりますね。

そして今回は「最も上手」ということで,“well”を最上級にする必要があります。最上級にする場合は直前に“the”を入れて,“in”“of”でつなぎます。答えは以下の通りです。

“She can play the piano (the) best in her class.”

“of”は続きが“the 数字”か”all”のときに使い,それ以外は“in”となります。

また,副詞の最上級のときは”the”が省略されることもあります。

2番の文もまず「この車は良い」“This car is good.”となりますね。そして先ほどと同じように最上級にしていきます。答えは以下の通りです。

“This car is the best of all (cars).”

“all”なので“of”を使います。“cars”は入れても入れなくてもOKです。

like~betterとlike~the bestの使い方

次も”better”と”best”を使った表現ですが,この2つは“like”と組み合わせて使うパターンが多いです。以下のような形で使います。

“like A better than B”「BよりもAの方が好き」

“like A (the) best in(of)~”「~の中でAが最も好き」

では実際に例文を見ていきましょう。

1. 「私は冬よりも夏が好きだ。」

2. 「彼はすべての季節の中で春が一番好きだ。」

1番はまず「私は夏が好きだ」を英文にします。“I like summer.”になります。

そしてこの文の後ろに“better than~”を繋げます。完成した英文は以下の通りです。

“I like summer better than winter.”

2番も1番と同様に考えます。「彼は春が好きだ」“He likes spring.”となりますね。

そして“(the) best in(of)~”を繋げていきます。「すべての季節」なので“of”を使います。

“He likes (the) best of all the seasons.”

“all the seasons”“the”は書かなくてもOKです。ただ,季節は4つしかない限定されたものなので”the”を付けることの方が多いです。

Whichを使った疑問文

最後に“which”“like better”“like the best”を組み合わせた疑問文を解説します。

「AとBのどちらが好きですか?」のように,2択で好きな方を尋ねるときの言い方は,

“Which do you like better, A or B?”となります。以下に例文を挙げます。

“Which do you like better, summer or winter?”「夏と冬のどちらが好きですか?」

“I like summer better.”「夏の方が好きです。」

答える際に”better”を忘れないように気を付けましょう。

次は“best”との組み合わせです。

「どの~が一番好きですか?」のように,ある範囲の中で一番好きなものを尋ねるときは,

“Which ~ do you like the best?”と聞きます。以下に例文を挙げます。

“Which season do you like the best?”「どの季節が一番好きですか?」

“I like summer (the) best.”「夏が一番好きです。」

答える際に”best”を忘れないように気を付けましょう。”the”はあってもなくてもOKです。

moreとmostの使い方

不規則変化の最後は“more”“most”です。この2つは母音が3つ以上ある形容詞と副詞を,比較級と最上級にするときに使われていましたね。

この使い方のときは,日本語としての意味は特にありませんでした。

でもその使い方だけではなく,単独で使うこともできます

もともと“more”は”many/much(たくさんの)”の比較級で,”most”はその最上級です。

そのため“more”なら「より多くの」”most”なら「最も多くの」という意味になります。

ちなみに”many”は数えられる名詞(可算名詞),”much”は数えられない名詞(不可算名詞)の前に付きますよ!

では例文で確認していきましょう。

1. 「彼は私より多くの本を読む。」

2. 「トムはマイクより多くのお金を持っている。」

3. 「彼はクラスで一番多くの本を読んだ。」

4. 「トムは4人の中で一番多くのお金を持っている。」

1番はまず「彼は多くの本を読む」を英語にして“He reads many books.”となります。

そして“many”比較級”more”に変えてあげます。答えは以下の通りです。

“He reads more books than I(me).”

2番も同じく「トムは多くのお金を持っている」を英語にすると“Tom has much money.”となります。

そして先ほどと同じく“much”比較級に変えてあげます。

“Tom has more money than Mike.”

3番は最上級です。「彼は多くの本を読んだ」は英語にすると“He read many books.”ですね。

そして”many”最上級”most”に変えてあげます。答えは以下の通りです。

“He read the most books in his class.”

4番も最上級です。“Tom has much money.”“much”最上級”most”に変えてあげます。答えは以下の通りです。

“Tom has the most money of the four.”

比較級+any other 単数名詞

次は比較級を使って,最上級と同じ意味合いの文を作る方法です。

例えば「富士山はほかのどんな日本の山よりも高い」という内容であれば,イコール「富士山は日本の山の中で1番高い」と同じ意味になりますよね?

ではこれを英文でどう表現するかというと,

“比較級 than any other 単数名詞”という形で表現します。

“any other~”「ほかのどんな~」という意味になります。また,後ろに続ける名詞は原則単数形にします。

「富士山はほかのどんな日本の山よりも高い」を英文にしてみましょう。

まず「富士山は高い」が英語で“Mt.Fuji is high.”となり,“high”を比較級にして“than any other”で繋いでいきます。

“other”の後ろには“mountain in Japan(日本の山)”を置いてあげます。

“Mt.Fuji is higher than any other mountain in Japan.”

これが完成品となります。

そしてこの表現は最上級と同じ意味合いなので,もちろん最上級の文に書き換えることも可能です。

“Mt.Fuji is the highest of all mountains in Japan.”

“Mt.Fuji is the highest mountain in Japan.”

このようになります。どちらでも意味合いは一緒なのでOKです。

one of the 最上級 複数名詞

最後になります!最後は「最も~な中の1人(1つ)」という表現です。

例えば「彼は世界で最も上手なサッカー選手の1人だ」といった文章です。

これを表現するには,

“one of 最上級 複数名詞”という形をとります。

そもそも”one of 複数名詞”で「~の1人(1つ)」という意味で,今回は名詞の前に最上級がくっついているという形です。

注意点は名詞を必ず複数形にすることです。「複数ある中の1つ」なので複数形となります。

では先ほどの文章を英文にしていきましょう。

まず「彼は世界で上手なサッカー選手の1人だ」“He is one of good soccer players in the world.”となりますね。

そして“good”最上級に変えてあげます。完成した英文は以下の通りです。

“He is one of the best soccer players in the world.”

この表現もよく出題されるので,必ず書けるようにしておきましょう。

比較の応用表現 まとめ

今回は比較の応用表現を解説していきました。

応用表現とありますが,様々な場面で使われる非常に大切な表現となります。

リスニングや並び替え,書き換え問題など,出題の形式も多岐にわたります。

ルールを理解したら,あとは何度も繰り返し問題演習を行って定着させていきましょう!

何か分からない点やもっと解説してほしい点があれば,お気軽にご連絡ください!

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