今回は中学生の古典学習で必ず登場する兼好法師の『徒然草』のうち、「ある人、弓射ることを習ふに」に関する練習問題を作成しました。
古語の意味や内容読解など、様々な問題を用意しました。定期テスト本番で高得点を目指すための実力試しとして、ぜひ繰り返しチャレンジしてみてくださいね。
問題と解答は以下からPDFで印刷できます。
【中学2年生向け】徒然草「序段/仁和寺にある法師」 練習問題
問題:以下の文章を読んで、次の問いに答えなさい。
【本文】
ある人、弓射ることを習ふに、もろ矢をたばさみて、的に向かふ。 師の言はく、「初心の人、二つの矢を持つことなかれ。後の矢を頼みて、初めの矢になほざりの心あり。毎度ただ得失なく、この一矢に定むべしと思へ。」と言ふ。 わづかに二つの矢、師の前にて一つをおろかにせんと思はんや。懈怠の心、みづから知らずといへども、師これを知る。この戒め、万事にわたるべし。
問題1
(1) 本文中にある「言はく」を現代仮名遣いに直して、すべてひらがなで答えなさい。
(2) 本文中にある「いへども」を現代仮名遣いに直して、すべてひらがなで答えなさい。
(3) 本文中の「懈怠」の正しい読み方を、ひらがなで答えなさい。
(4) 本文中の「万事」の正しい読み方を、ひらがなで答えなさい。
(5) 本文中の「もろ矢」とは、具体的にどのようなものですか。本文中の言葉を参考にして「〇本の矢」という形で書きなさい。
(6) 「二つの矢を持つことなかれ」の「なかれ」の意味として最も適切なものを、次のア〜エから選びなさい。
ア.〜ではない イ.〜してはいけない(禁止) ウ.〜かもしれない エ.〜の中に
(7) 「初めの矢になほざりの心あり」の「なほざり」の意味として最も適切なものを、ア〜エから選びなさい。
ア.一生懸命にすること イ.いい加減にすること ウ.緊張すること エ.楽しみにすること
(8) 「一つをおろかにせん」の「おろかに」の現代語訳として最も適切なものを、ア〜エから選びなさい。 ア.大切に イ.愚かに ウ.いい加減に エ.無駄に
(9) 「一つをおろかにせんと思はんや」という文の現代語訳として最も適切なものを、次のア〜エから選びなさい。
ア.一つをいい加減にしようと思うだろうか、いや、思わないだろう。
イ.一つをいい加減にしようと思うだろうから、気をつけなさい。
ウ.一つをいい加減にしようと思うのは、当然のことである。
エ.一つをいい加減にしようと思っただろうか、いや、すでに思っていた。
問題2
(10) 「後の矢を頼みて、初めの矢になほざりの心あり」とありますが、誰の心の中にこのような気持ちが生まれると師匠は言っていますか。本文中から4字で抜き出しなさい。
(11) 師匠が、「二つの矢を持つことなかれ」と戒めたのはなぜですか。その理由が書かれている一文を本文中から探し、最初の五文字を書きなさい。
(12) 「毎度ただ得失なく、この一矢に定むべしと思へ」とありますが、ここでの「得失なく」とはどのような意味ですか。次のア〜ウから最も適切なものを選びなさい。
ア.矢を射ることで損をしないように
イ.的に当たるか当たらないかを考えずに
ウ.上手く射ることができなくても気にせずに
(13) 「この戒め、万事にわたるべし。」とあるが、この文章から読み取れる教訓を、「次の機会」「目の前」という言葉を使って簡潔に書きなさい。
【解答・解説編】
問題1
(1) いわく
【解説】語中・語尾の「は行」は「わ行」に直します。
(2) いえども
【解説】語中・語尾の「は行」は「わ行」に直します(「へ」→「え」)。
(3) けだい
【解説】「かいたい」「けたい」などの読み間違いに注意しましょう。「怠けようとする心」という意味です。
(4) ばんじ
【解説】「あらゆること・全てのこと」という意味です。
(5) 二本の矢
【解説】「もろ矢」は二本(一対)の矢のことです。
(6) イ
【解説】「〜(する)ことなかれ」は、「〜してはいけない」という強い禁止を表します。
(7) イ
【解説】「なほざり」は「いい加減にする・おろそかにする」という意味の重要古語です。
(8) ウ
【解説】「おろかなり」は現代語の「愚か(頭が悪い)」とは少しニュアンスが異なり、ここでは「いい加減にする・おろそかにする」という意味になります。(7)の「なほざり」と同じ意味を表しています。
(9) ア
【解説】「~んや」は、「~だろうか、いや~ない」という反語を表しています。「一つをおろかにせんと思はんや」は、「一つをいい加減にしようと思うだろうか、いや、思わない」という意味です。しかし、本人が自覚していなくても、師は「懈怠の心」が生じることを見抜いています。
大問2
(10) 初心の人
【解説】師匠は「初心の人(初心者)」に向けて戒めの言葉を述べています。
(11) 後の矢を頼(後の矢を頼みて、初めの矢になほざりの心あり。)
【解説】二本目があると思うと、無意識のうちに一本目をいい加減にしてしまう心(懈怠の心)が生まれてしまうからです。
(12) イ
【解説】「得失なく」は、成功するか失敗するかという結果を気にせず、という意味です。ここでは、矢が的に当たるかどうかに心を奪われず、目の前の一本の矢に集中せよ、ということです。
(13) (解答例)次の機会があると考えて目の前のことをおろそかにせず、今取り組んでいることに集中することが大切だということ。
【解説】師匠は、二本目の矢があると「後の矢を頼みて」、一本目の矢をいい加減にしてしまうと教えています。つまり、「まだ次があるから大丈夫」と考えると、今やるべきことをおろそかにしてしまうということです。最後に「この戒め、万事にわたるべし」とあるので、この教訓は弓の練習だけでなく、勉強や仕事など、あらゆることに当てはまると分かります。
【中学2年生向け】徒然草「ある人、弓射ることを習ふに」 練習問題 まとめ
お疲れ様でした!
古語の意味や、本文の内容から読み取れる教訓は古文で頻出です。また、現代仮名遣いの直しや歴史的仮名遣いのルールも合わせて復習し、テスト本番でしっかり得点を稼ぎましょう!
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