中国・四国地方のテストでは、山地を境にした「3つの気候区分」の違いや、本州四国連絡橋が開通したことによる影響、瀬戸内工業地域の特色などが非常によく問われます。
今回は、定期テストから高校入試までバッチリ対応できる厳選50問を用意しました。前回の九州・アジア州と同じように、「自然・気候」「農業・水産業」「工業」「交通・都市と過疎問題」、そして配点の高い「記述問題」まで、テストで本当に狙われるポイントだけをまとめています。
用語を覚える問題から、理由を説明する問題へのステップアップを意識して構成しています。問題と解答で知識を確認し、解説で「なぜ?」を理解して、中国・四国地方をマスターしましょう!
問題と解答はPDFで印刷できます!
問題
大問1 自然・気候
(1) 中国地方の中央部を東西に走る、なだらかな山地を何といいますか。
(2) 四国地方の中央部を東西に走る、険しい山々が連なる山地を何といいますか。
(3) 2つの山地に挟まれた、波が穏やかで多くの島々が浮かぶ海を何といいますか。
(4) 四国地方の南側に広がる、暖流の黒潮(日本海流)が流れる大きな海を何といいますか。
(5) 中国地方の日本海側の気候区分において、冬に多くの雪を降らせる原因となる風を何といいますか。
(6) 中国山地と四国山地に挟まれた地域で見られる、年間を通して晴れの日が多く、降水量が少ない気候を何といいますか。
(7) 四国地方の太平洋側の気候において、夏に多くの雨をもたらす季節風の向きはどの方角から吹きますか。
(8) 「四国三郎」とも呼ばれ、四国地方を流れて紀伊水道に注ぐ、流域に平野を作る川を何といいますか。
(9) 日本最大の砂丘がある、中国地方の日本海側の県はどこですか。
(10) 香川県などで、降水量が少ないため水不足に備えて古くから作られてきた、水をためておく施設を何といいますか。
大問2 農業・水産業
(11) 温暖で晴れの日が多い瀬戸内海沿岸で、山の斜面を利用して盛んに栽培されている果物は主に何ですか。
(12) 高知平野などで盛んな、温暖な気候を生かして野菜の成長を早め、他の地域よりも早く出荷する栽培方法を何といいますか。
(13) 高知平野のビニールハウスなどを利用した栽培方法で、主に生産されている代表的な野菜を2つ答えなさい。
(14) 鳥取県を代表する果物で、砂丘周辺でも栽培されているものは何ですか。
(15) 瀬戸内海などで古くから行われている、海や川の一定の場所で魚介類や海藻を人工的に育てる漁業を何といいますか。
(16) 瀬戸内海(広島湾など)で養殖が非常に盛んで、広島県が全国有数の生産量を誇る海産物は何ですか。
(17) 愛媛県の宇和海などで養殖が盛んな、装飾品として用いられる特産物は何ですか。
(18) 愛媛県などで、みかんの競争力低下を防ぐために行われている、「伊予かん」や「デコポン」などを生み出した工夫を何といいますか。
(19) 瀬戸内海の沿岸でかつて盛んに作られていた、海水を蒸発させて作る調味料は何ですか。
(20) 愛媛県や香川県で生産が盛んな、温暖で雨の少ない気候を生かして栽培される、地中海原産の農作物は何ですか。
大問3 工業・産業
(21) 瀬戸内海の沿岸に帯状に広がっている、日本有数の工業地域を何といいますか。
(22) 倉敷市の水島地区や山口県の周南市の臨海部に大規模な工場が集まっている、原油からプラスチックなどをつくる工業を何といいますか。
(23) 広島県や岡山県に大規模な工場があり、関連する部品工場も多く集まっている工業は何ですか。
(24) 原材料の輸入や製品の輸出に便利な、工場が多く立地する海に面した地域を何といいますか。
(25) 広島県呉市などで、軍港を背景として発達した工業で、大型船をつくる工業を何といいますか。
(26) 地域の資源や伝統的な技術を生かして、古くから受け継がれている産業を何といいますか。
(27) 山口県下松市で盛んに製造されている、輸送用機械工業の製品は何ですか。
(28) 瀬戸内海沿岸の工業地域で近年割合が高くなっている、自動車や電子部品などを製造する工業の分類を何といいますか。
(29) 愛媛県の四国中央市で盛んな、豊富な水や森林資源を生かして作られる工業製品(分類)は何ですか。
(30) 島根県にある、かつて大量の銀を産出し、現在は世界遺産に登録されて観光客を集めている鉱山跡を何といいますか。
大問4 都市・交通・人口など
(31) 中国地方全体の政治や経済の中心となっている、人口100万人を超える地方中枢都市はどこですか。
(32) 四国地方において、国の出先機関や企業の支店が多く集まる地方中枢都市はどこですか。
(33) 本州の広島県尾道市と四国の愛媛県今治市を結ぶルートを何といいますか。
(34) 岡山県と香川県を結び、鉄道と自動車道路が通っている橋の総称を何といいますか。
(35) 兵庫県と徳島県を結び、淡路島を経由するルートを何といいますか。
(36) 本州と四国を結ぶ3つの連絡橋ルートを総称して何といいますか。
(37) 山陽地方を東西に結び、新大阪駅から博多駅までをつなぐ高速鉄道を何といいますか。
(38) 本州四国連絡橋の開通などにより、交通が便利になった結果、大阪などの大都市へ人や経済活動が吸い寄せられ、地方の経済が衰退してしまう現象を何といいますか。
(39) 中国・四国地方の山間部や離島などで、若者が都市に流出し、人口の減少と高齢化が進んで地域社会の維持が難しくなる現象を何といいますか。
(40) 人口減少が進む地域において、地元の特産品を生かしたり、自然や文化を観光資源としたりして、地域を活性化させる取り組みを何といいますか。
大問5 記述問題
(41) 瀬戸内海の沿岸(瀬戸内の気候)で、一年を通して降水量が少ない理由を、「季節風」と「山地」の言葉を使って説明しなさい。
(42) 高知平野で促成栽培が盛んな理由を、気候の特徴にふれて説明しなさい。
(43) 香川県などの讃岐平野で、「ため池」が古くからたくさん作られてきた理由を説明しなさい。
(44) 瀬戸内海沿岸で、みかんなどの柑橘類の栽培が盛んな理由を、「斜面」と「水はけ」の観点から説明しなさい。
(45) 瀬戸内工業地域が発展した理由を、交通や立地の観点から説明しなさい。
(46) 中国・四国地方で、本州四国連絡橋が開通したことによって人々の生活や産業にどのようなプラスの変化がありましたか。
(47) 本州四国連絡橋の開通によって、四国地方と本州を結ぶフェリーや旅客船の利用者はどのように変化しましたか、その理由とともに説明しなさい。
(48) 鳥取砂丘の周辺で、スプリンクラーなどの設備が整備されたことによって、農業はどのように変化しましたか。
(49) 広島市や高松市などの地方中枢都市に、周辺地域から人口や企業が集中するのはなぜですか。
(50) 中国・四国地方の山間部において、若者の流出により過疎化が進むと、どのような問題が起こりますか。「共同体」や「維持」の観点から説明しなさい。

解答と解説
大問1
(1) 中国山地
解説:中国地方の中央をなだらかに走る山地です。このなだらかな地形を利用して、古くから和牛などの牧畜も行われてきました。
(2) 四国山地
解説:四国の中央を東西に走る険しい山地です。かつてはこの険しさが南北の移動を阻む交通の壁となっていましたが、現在はトンネルや高速道路の整備が進んでいます。
(3) 瀬戸内海
解説:本州、四国、九州に囲まれた内海です。波が穏やかで古くから海上交通の要衝として栄え、現在も沿岸には多くの工場や港が立ち並んでいます。
(4) 太平洋
解説:四国地方の南側(南四国)に広がる海です。沖合には暖流である黒潮(日本海流)が流れており、この影響で一年を通して温暖な気候になります。
(5) 北西の季節風
解説:冬にユーラシア大陸から吹く冷たく乾いた風です。日本海を渡る際にたっぷりと水蒸気を含み、中国山地にぶつかることで山陰地方に多くの雪や雨を降らせます。
(6) 瀬戸内の気候
解説:中国山地と四国山地に挟まれた地域の気候です。夏と冬の季節風がどちらも山にさえぎられるため、年間を通して雨が少ないのが最大の特徴です。
(7) 南東(の季節風)
解説:夏に太平洋から吹く湿った風です。これが四国山地にぶつかるため、高知県など南四国では夏に降水量が非常に多くなります。
(8) 吉野川
解説:四国地方を西から東へ流れる大河です。大雨のたびに氾濫する「暴れ川」として知られ、利根川(坂東太郎)、筑後川(筑紫次郎)と並んで「四国三郎」という異名を持っています。
(9) 鳥取県
解説:日本海側に位置し、広大な鳥取砂丘があります。もともとは作物が育ちにくい環境でしたが、現在はスプリンクラーなどを使った灌漑(かんがい)農業が行われています。
(10) ため池
解説:降水量が少ないため、農業用水を確保する目的で作られました。特に香川県の讃岐平野には、日本で最も高い密度でため池が点在しています。
大問2
(11) みかん(かんきつ類)
解説:雨が少なく温暖な気候を生かし、水はけと日当たりの良い山の斜面を利用して栽培されます。愛媛県が全国有数の産地です。
(12) 促成栽培
解説:高知平野などで、温暖な気候を生かして野菜の成長を早める栽培方法です。ビニールハウスなどを利用し、需要が高まる冬から春にかけて全国に出荷します。
(13) なす、ピーマン
解説:高知県の促成栽培を代表する夏野菜です。本来は夏に収穫される野菜を、冬から春の時期に出荷するための工夫です。
(14) 二十世紀梨(梨)
解説:鳥取県を代表する果物です。砂丘周辺の砂地でも、スプリンクラーなどの設備を活用することで栽培が盛んに行われています。
(15) 養殖業
解説:波が穏やかな瀬戸内海やリアス海岸の波が静かな入り江などで盛んに行われています。えさを与えて人工的に魚介類を育てる漁業です。
(16) かき
解説:広島湾などで養殖が盛んです。海に浮かべたいかだにロープをつるして育てる方法(垂下式)がとられており、広島県は全国1位の生産量を誇ります。
(17) 真珠
解説:愛媛県の宇和海沿岸(リアス海岸)などで養殖されています。アコヤ貝という貝を使って真珠を育てます。
(18) 品種改良
解説:和歌山県や静岡県との競争、アメリカ産オレンジの輸入増加によりみかんの出荷が減少したため、伊予かんやデコポンなどを生み出して差別化を図っています。
(19) 塩
解説:かつて瀬戸内海沿岸では、晴れの日が多い気候を利用して、海水から水分を蒸発させる塩田(えんでん)が広く作られていました。
(20) オリーブ
解説:香川県の小豆島(しょうどしま)などが有名な産地です。地中海の気候と瀬戸内の気候が似ている(どちらも雨が少なく温暖)ことから栽培が定着しました。
大問3
(21) 瀬戸内工業地域
解説:燃料や原料の輸入、製品の輸送に便利な瀬戸内海沿岸で発達した工業地域です。かつての塩田や浅い海岸を埋め立てて広い工場用地が作られました。
(22) 石油化学工業
解説:岡山県の倉敷市(水島地区)や山口県の周南市などで発達しています。石油関連の工場どうしがパイプラインで結ばれた「コンビナート」と呼ばれる施設群が形成されています。
(23) 自動車工業
解説:広島市周辺などで盛んです。自動車の組み立て工場だけでなく、その周辺には数多くの関連部品工場も集まっています。
(24) 臨海部
解説:海に面した地域のことです。日本は資源の多くを輸入に頼っているため、大きな船が直接横付けできる臨海部に工場が集中する傾向があります。
(25) 造船業
解説:波が穏やかで水深が深い瀬戸内海の地形を生かし、戦前は広島県呉市などに軍港が置かれ、戦艦などの大型船を造る技術が発達しました。
(26) 伝統産業
解説:地域の資源や古くからの技術を受け継いだ産業です。愛媛県の砥部焼(とべやき)や岡山県の備前焼など、この地方には多くの伝統産業が残っています。
(27) 鉄道車両
解説:山口県下松市などで製造されています。自動車工業とともに、交通機関に関わる「輸送用機械工業」の代表的な製品です。
(28) 機械工業
解説:かつては金属工業や化学工業の割合が高かったのに対し、現在は自動車や電子部品などの機械工業も発達しています。
(29) パルプ・紙(製紙業)
解説:愛媛県の四国中央市などで盛んです。四国山地から流れ出る豊富な水と、森林資源を利用して発達しました。
(30) 石見銀山
解説:島根県にある世界遺産です。過疎化が進む地域において、このような歴史的遺産や自然を観光資源として活用し、観光客を呼んで地域を活性化させる取り組みが行われています。
大問4
(31) 広島市
解説:中国地方の地方中枢都市です。人口が100万人を超える政令指定都市であり、国の出先機関や大企業の支店などが集中しています。
(32) 高松市
解説:四国地方の地方中枢都市です。四国の玄関口としての役割を果たし、企業の支店などが集まっています。
(33) しまなみ海道
解説:1999年に開通した、広島県尾道市と愛媛県今治市を結ぶルートです。自転車や歩行者専用の道も整備されており、サイクリングの名所として観光客にも人気を集めています。
(34) 瀬戸大橋
解説:1988年に開通した、岡山県(児島)と香川県(坂出)を結ぶルートです。上段が自動車道路、下段が鉄道の二層構造になっています。
(35) 神戸淡路鳴門自動車道(神戸・鳴門ルート)
解説:兵庫県(神戸市)から淡路島を通って徳島県(鳴門市)を結ぶルートです。明石海峡大橋(1998年開通)と大鳴門橋(1985年開通)が含まれます。
(36) 本州四国連絡橋
解説:本州と四国を結ぶ上記の3つのルートの総称です。この開通により、フェリーに代わって自動車での移動が主流となり、移動時間が大幅に短縮されました。
(37) 山陽新幹線
解説:新大阪駅から博多駅までを結ぶ新幹線です。山陽地方(岡山・広島・山口南部)の東西の移動を支える大動脈となっています。
(38) ストロー現象
解説:交通網が整備された結果、大阪などのより大きな都市へ人や経済活動が吸い寄せられ、地方の経済が衰退してしまう現象のことです。冷たい飲み物をストローで吸い上げる様子に似ていることから名付けられました。
(39) 過疎化(過疎)
解説:山間部や離島において、若者を中心に都市部へ人口が流出してしまうことです。残された住民の高齢化が進むことが大きな課題です。
(40) 地域おこし(町おこし)
解説:過疎化の対策として、特産品のアピールや観光客の誘致、さらには情報通信技術(ICT)企業を誘致してサテライトオフィスを設けるなどの取り組みが行われています。
大問5
(41) 夏は南東からの季節風が四国山地に、冬は北西からの季節風が中国山地にさえぎられ、瀬戸内海沿岸に湿った空気が入りにくいから。
解説:「季節風の向き」と「山脈」の位置関係をしっかり結びつけて覚えましょう。山が雲の壁になるため、間の瀬戸内海沿岸には雨が降りにくくなります。
(42) 冬でも温暖な気候を利用して野菜の成長を早め、他の地域より早く出荷できるから。
解説:高知県は沖合を流れる暖流の黒潮(日本海流)の影響で冬でも暖かく、その気候を生かしてビニールハウス栽培を行っています。
(43) 瀬戸内の気候で年間を通して降水量が少なく、日照りによる水不足に備える必要があるから。
解説:昔は水争いが起きるほど水が貴重でした。現在は吉野川から香川県へ水を引く「香川用水」なども整備されています。
(44) 山の斜面は水はけが良く、太陽の光がよく当たるから。
解説:みかんなどの柑橘類は、水がたまりにくく日当たりの良い環境で甘く育つため、瀬戸内海沿岸の段々畑で盛んに栽培されています。
(45) 波が穏やかな内海で海上交通に便利であり、浅い海を埋め立てて広い工場用地を作ることができたから。 解説:かつて塩田だった場所などを埋め立ててできた広大な土地に、コンビナートなどの巨大な工場が建てられました。
(46) 本州と四国の間の移動時間が大幅に短縮され、観光客の増加や物流が活発になったこと。
解説:生活が便利になっただけでなく、高知の促成栽培の野菜などを保冷トラックで新鮮なまま全国へ出荷できるようになりました。
(47) 自動車やバスでの移動が便利になったため、フェリーや旅客船の利用者は減少した。
解説:連絡橋の開通によって自動車やバスで本州と四国を移動できるようになり、フェリーなどを利用する必要性が低下しました。そのため、多くの航路で利用者が減少しました。
(48) スプリンクラーなどによって砂丘地に水を供給できるようになり、畑作が発達して、らっきょうやスイカなどの農作物が栽培されるようになった。
解説:もともとは乾燥して農業に不向きだった砂丘ですが、灌漑(かんがい)設備の整備によって農業が大きく発展しました。
(49) 国の役所の出先機関や大企業の支店などが集中し、交通機関も発達しているから。
解説:広島市や高松市のような地方中枢都市は、その地方全体の「まとめ役」としての機能を持っているため、人やお金が集まりやすくなります。
(50) 若者の流出によって高齢者の割合が高くなり、お祭りや防災、地域の道路・農地の管理など、地域共同体の維持が困難になること。
解説:単に「人が減る」というだけでなく、地域の伝統や安全を守り、生活を支え合う「共同体」が成り立たなくなることが過疎化の最も深刻な問題です。
【中学2年生向け】日本地理 中国・四国地方 練習問題 50本ノック まとめ
お疲れ様でした!
この地域の学習の鍵は、「3つの気候区分(日本海側、瀬戸内、太平洋側)」が、農業や人々の暮らしにどう影響しているかを理解することです。
雨が少ないから「ため池」や「みかん栽培」、暖かいから「促成栽培」など、自然環境と産業の結びつきを押さえましょう。また、「本州四国連絡橋」によるプラスの変化(移動時間の短縮など)とマイナスの変化(フェリーの減少や、ストロー現象による人口流出など)の両面を理解しておくことも高得点のポイントです。
間違えた問題は解説をしっかり読んで、次のテストに備えてください。
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